
SEOの権威、鈴木謙一氏に突撃インタビュー!鈴木氏から見たSEOの現状とは!
「サイトやブログへの流入をもっと増やしたい!」
「Googleの検索結果順位をもっと上げたい!」
WEB担当者なら、誰しもが悩みを抱えているのが『SEO』
boost株式会社のWEB担当者である私も、毎日ウンウン唸りながら試行錯誤しているため、この度、世界最大のSEOカンファレンス「Pubcon2019(Pubcon Pro Las Vegas)」に情報を取りに行ってきました。ほぼ海外勢が登壇しているなか、日本人として登壇されているSEOの権威・鈴木謙一氏に、なんと、取材することができました!
Pubcon初参加で、右も左もわからずあたふたしている私たちに対して、ご丁寧に寛容な対応をしてくださった鈴木さん。Pubconに関する感想やSEOの現状・今後の展望、プライベートについて語っていただきました。
SEOの権威、鈴木謙一氏とは!?
氏名:鈴木 謙一(すずき けんいち)
会社:株式会社Faber Company
役職:取締役Search Advocate(サーチ・アドボケイト)
世界最大のSEOカンファレンス「Pubcon2019(Pubcon Pro Las Vegas)」に登壇されている鈴木謙一氏は、“Mobile-first Indexing and SEO – and AMP” というテーマで、講演されました。
(詳しくは、こちらの記事を参照 https://boost-on.net/5892)
・講演の内容は、「海外SEO情報ブログ」記事にて
Web担当者Forumにて『海外&国内SEO情報ウォッチ』を連載中で、 Google検索の SEO に関する正しい知識や最新の情報を、多くのサイト管理者に伝えるためにオンライン・オフラインで活動しています。
Pubcon2019に登壇されてみての感想
里山:スピーチお疲れ様でした。登壇されてみてどうでしたか?
鈴木氏:今回で登壇は2回目となります。緊張しましたが、初めてのときよりもゆっくり話すことができました。
前回は、2019年4月に英・ブライトンで開催された BrightonSEO に登壇しました。
里山:緊張している様子は全然伝わってきませんでした。同じ日本人としてとても誇らしかったです。スピーチに向けて苦労したことや裏話などはありますか?
鈴木氏:AMP(Accelerated Mobile Pages)とMFI(Mobile First Index)というテーマはあったのだけど、MFIはもう導入されていて話すことないし、AMPの話も知ったことだし、どうやって話を面白くすることや、来場者の方にとって有意義な内容にできるかという点で苦労しました。
里山:Pubcon自体への参加は何回目になるのでしょうか?
鈴木氏:6回目くらいになります。
里山:6回も参加されてるんですね!最初、Pubconに行くきっかけになったのはなんでしょうか?
鈴木氏:当時(2010年頃)はSEOについての情報はGoogle社員に直接会いに行くことくらいしか情報が手に入りませんでした。ずっとPubconにいつか行けたらいいなぁと思っていて、会社(株式会社Faber Company ※ファベルカンパニー)の当時の代表である古澤暢央さんに、「一緒に情報を取りに行こう」と言って頂いたことがきっかけ。本当に夢が叶ったような感じでした。
当時のPubconでは、Google社員でスパムチームのヘッドであるMatt Cutts(マット・カッツ)氏のセッションを聞けたことや、セッション後に直接、お話を聞けたことも印象に残っています。
Matt Cutts(マット・カッツ)氏はSEO業界でアイドルのような存在だったので、話すまでに1時間の行列ができていたことを覚えています。
里山:今はオンラインでも情報がとれる時代になってきましたが、最新の情報を毎年、直接足で取りに来ていたんですね!
SEOの現状について
里山:Pubconをはじめ海外から情報収集している鈴木さんからみて、SEO業界についてはどう感じていますか?
鈴木氏:初めてPubconに参加したときは、日本とアメリカの差がすごくありました。アルゴリズムや情報伝達度についても、すごいギャップがあったし、全然日本に情報が入っていない現状でした。
里山:今はその差が縮まってきたということでしょうか?
鈴木氏:昔は差がありましたが、今ではネット環境が充実したことで、情報がどこでも手に入りやすい時代になりました。日本Googleの金谷 武明さんや小川安奈さんを始め、Google社員のサーチチームが積極的に情報発信をしてくれています。
私も10年ほど前から情報収集のためにTwitterを始めました。
里山:便利な世の中になりましたよね。鈴木さんのブログを、携帯で通勤中に読むことも出来ますしね。日本のWEB担当者たちのレベルが上がったから、日本と海外のSEOの知識の差が縮まってきているとも言えますね。
海外と日本の視点を持っている鈴木さんからみる、今のSEOのトレンドはなんでしょうか?
鈴木氏:少し前までは、テクニック的要素が大事でした。例えば、タグやキーワード調整といった、ユーザーとは関係ないところで決まっていました。今でももちろん効果はあるけど、短期的でしか通用しなくなってきました。今では検索する中(クエリ)にキーワードが含まれていなくても関連するものが表示されることもほとんど。
里山:確かに最近は、キーワード足らずでも自分が欲しい情報が検索結果に出てくるようになりましたね。日本も海外のSEOに追いついてきたのでしょうか?
鈴木氏:大分進化しているとはいえ、検索結果についてはまだまだアメリカの方が進んでいます。アメリカのモバイル検索はすごい賑やかで、どれがオーガニック検索か分からないくらいです。
カルーセルや画像、動画、地図など、本当に色んな検索結果が表示される見た目の変化が大きいです。
里山:それは、WEB担当者泣かせですね(苦笑
検索結果において、サイトを上位に上げるために意識すべきポイントはなんでしょうか?
鈴木氏:やはりSEOを上げたいなら、コンテンツをしっかり作りこむことが大事ですね!題材に対して、好きな人が情熱を持って書くのが一番。そして、コンテンツを作り続けることが大事です。
里山:好きな人が書くコンテンツは面白いし、やはり伝わってくるものがあります。
boostのギルドプレイヤーにサウナが好きなメンバーがいるのですが、その人の記事はやっぱりPV数も他と比べて上がりますね。
鈴木氏:あと、SNSではブランディングをしていくことが大事。あんまり詳しくないけど(笑
SNSに投稿することで、Googleアルゴリズム関係なしにユーザーを集めることも可能だし、活用しないって手はないかと。良い情報を提供し続けることで、「この人をフォローしておけば良い情報が手に入る」と思ってもらえるようなことが大事です。
僕のフォロワーからすると、SEO以外の情報(例えば、僕が何食べたとか)は興味ないと思うんですよね。本当はそういうのも投稿したかったりするんですけど笑
里山:鈴木さんにもそんな悩みがあったんですね!笑
ファンを作ることの大切さは僕自身が課題に感じているところです。僕も有益な情報を発信している人に対してフォローしているし、ここ最近は検索からよりもSNSから記事に辿り着いてることのほうが多いように感じます。鈴木さんのTwitterはフォロワーさんとの絡みも多いし、タグ付けに対していいねしたり、コメントしたりとても積極的でマメですよね。
boostメンバーがコメントした時もリプ(返信)くださり、1つ1つ見てくださっているんだなぁとマメさを感じました。
海外SEO情報ブログについて
里山:少し話は変わりますが、鈴木さんが現在運用している「海外SEO情報ブログ」についてお聞きしたいと思います。そもそも始めたきっかけは何だったんでしょうか?
鈴木氏:実は最初サーバ周りのエンジニアをやっていました。ちなみに、コーディング自体に関しては、何をやっているか分からず全然ハマりませんでした(笑
ただ、人に教えることに関してはとても好きだったので、過去の経歴としても自分が勉強したことを社員へ教える研修業務をすることが多かったです。
家族との時間を大事にしたいということもあり、脱サラをして個人事業主として古澤さんの仕事を業務委託でさせて頂きました。その傍、恥ずかしながらも「アフェリエイトで稼ごう!」と思いまして、「そのためにはSEOが必要だ!」となり、SEOの勉強をし始めました。
里山:家族想いで素敵ですね!アフェリエイターを目指してたんですね。
鈴木氏:勉強し始めたものの、当時は最新の情報が海外にしかなく、海外から情報をよく集めていました。幸い英語について苦ではなかったのも良かったかもしれません。その辺りから海外から入手した情報にハマっていき、せっかく勉強したことを自身だけに留めておくのはもったいないとアドバイスを受けたことがきっかけで、メルマガやブログで情報発信するようになりました。
里山:そこからが海外SEO情報ブログの原点となるのですね。ボクの周りにも鈴木さんのブログのファンが多くて、今回の取材の件もみんな驚くと思います。
鈴木氏:本当は、オリンピック、バトミントンやプライベートのことも情報発信したいのですが、ブログ更新でアップアップですね(笑
里山:更新頻度すごく高いですもんね。ほぼ毎日であのボリューム感!なかなか真似できるものではありません。
バトンミントンお好きなんですか?機会があれば読んでみたいです♪
鈴木氏:海外SEO情報ブログは、私の出勤簿も兼ねてます。個人ブログですが、毎朝書いていることで私が起きて仕事を始めていることが会社の人に伝わっています笑。
ブログを書くこと自体は毎朝のルーティンと化しています。
里山:現在はどのようなライフスタイルですか?
鈴木氏:今は、毎朝4時には起床し、30分後には活動開始しています。
それから、5時過ぎくらいまでは、Google の公式ブログや、ジョン・ミューラー氏やゲイリー・イリェーシュ氏ら Google 社員の Twitter の投稿、Search Engine Roundtable や Seaach Engine Land などSEO系ブログ記事の投稿などをチェックして最新の情報を収集して、ブログ記事を書いています。
あとは、Googleの技術についても情報を仕入れて勉強しています。
そして遅くとも22時半には、就寝といった感じです。
ちなみに、30代のころは3時に起床していました。
里山:えーーーーーーーーーーーーーーーーー3時ですか!?
鈴木氏:当時は息子と一緒に21時に寝てましたので、実は6時間睡眠です(笑
在宅だったので息子と一緒にお風呂に入ったりして、そのまま一緒に寝ていた感じです。
里山:そうだったんですね!超人かと焦りました(笑
息子さんとの時間を大事にされるのもとても素敵ですね。
本当、情報のインプットがすごいですね。これだけインプットしているからこそ、良質なアウトプットができるのですね。
今後の展望について
里山:最後に鈴木さんの今後の展望についてお聞きしてもよろしいでしょうか?
鈴木氏:大きく2つあります。
一つ目は、「海外カンファレンスでの登壇」。
二つ目は、「プロフェッショナルの育成」。
一つ目は、SEOのカンファレンスであるPubconやSMX(Search Marketing Expo & Conference Series)などに登壇のチャンスがあれば、どんどん出ていきたい。挑戦していきたい。
二つ目は、SEOに問わず、ある分野で活躍する若手、言わば次世代を育成・輩出していきたい。今は社内教育に力を入れています。
里山:次世代の鈴木謙一氏となるような人がたくさん輩出されることを期待しています。このような野望の原動力はどこからきているのでしょうか?
鈴木氏:SEOに関するプライドですね。だからこそ、もっと有益な情報を世界の人々に伝えていきたい。その一心でこれからも海外進出を果たしていきたい!
さいごに
常にSEOの最前線を走るだけに留まらず、次世代教育にも力を入れている鈴木氏。とても穏やかで笑顔の素敵な方で、終始和やかな雰囲気でインタビューさせていただきました。強い志を持って世界へ情報発信を続けていくことや、海外進出してチャレンジされる姿は、まさに日本が誇るSEOスペシャリストだと感じました。
今後の鈴木謙一氏の活躍も目が離せない!!
世界SEOブログ
https://www.suzukikenichi.com/blog/
鈴木謙一Twitter
https://twitter.com/suzukik
株式会社Faber Company ※「ファベルカンパニー」と読みます。
https://www.fabercompany.co.jp/

IT関連の仕事に携わって約10年が経ちます。
開発から保守まで、要件定義からリリースまで、プログラマーからマネージャーまで、と一通り経験してきました。
経験した中で、IT・技術に関することも然りですが、何より人間関係が大事だなと思う今日この頃。
人を大事に仕事を進めていきたいと思っています。
真面目が取り柄であり、みんなのお世話係な役回りが多め。
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