2020オークス

【オークス2020】デアリングタクトが63年ぶりに無敗での2冠!瞬発力がすごすぎる

※レース画像をJRA公式ホームページから引用

競馬大好きエンジニア、ベルトトルトです。

2020年5月24日、東京競馬場で3歳牝馬三冠の2レース目、オークス(芝2400m)が行われました。
JRA公式のオークスレース結果

2020年のオークスを制したのは、デアリングタクト

競走成績:4戦4勝(2020年5月24日現在)

デビューから無敗での桜花賞、オークス2冠制覇は、なんと!63年ぶりの記録となりました。

桜花賞は1600m、オークスは2400mと、一気に距離が伸びるので、両方勝つのも大変ですが、それをデビューから無敗で達成と、デアリングタクトは本当に強い馬です。
条件問わずどんなレースでも勝てるのではないか、と思えるほどです。

今まで桜花賞とオークスの2冠を達成した馬は、有名どころを挙げるだけでも以下の通り、名馬揃いです。

  • 1975年:テスコガビー
  • 1987年:マックスビューティ
  • 1993年:ベガ
  • 2009年:ブエナビスタ
  • 2020年:デアリングタクト

そして、桜花賞もオークスもこれだけ強い勝ち方だと、自ずと3冠馬への期待が溢れてきます。
牝馬3冠を達成した馬は以下の通りですが、2020年デアリングタクトが肩を並べるのか、非常に楽しみです。

  • 1986年:メジロラモーヌ
  • 2003年:スティルインラブ
  • 2010年:アパパネ
  • 2012年:ジェンティルドンナ
  • 2018年:アーモンドアイ

デアリングタクトの血統

父:エピファネイア
母:デアリングバード
母の父: キングカメハメハ

血統表は以下の通り。

デアリングタクトの血統
引用元:netkeiba.com

父がエピファネイアなので、父方の祖母がシーザリオです。
シーザリオも2005年にオークスを制しています。

桜花賞の時も感動的でしたが、シーザリオとデアリングハートの血を引く、デアリングタクトが桜花賞やオークスを勝つというのが、すごく血統のロマンを感じるところです。
詳しくは、桜花賞の記事もご覧ください。

また、デアリングタクトは今回2枠4番だったのですが、シーザリオも同じ4番でした。
そして、桜花賞では9番でしたが、デアリングハートが桜花賞で同じ9番でした。

こういう血統と運命の巡り合わせって面白いですね。

レース映像

デアリングタクトは4番(黒色の帽子)です。

引用元:JRA公式YouTubeチャンネル

オークス当日、東京競馬場は晴天で、絶好の競馬日和となりました。
当日の他レースで、1勝クラス芝1600mのレースでは、1:31.7というレース時計が出ていて、高速馬場でした。

レース時計は 2:24.4 で、前半1000mが59.8となり、時計だけ見るとミドルペースですが、高速馬場だったので、多少スローペースの展開で前にいった馬が有利な展開となりました。

そんな中、勝ったデアリングタクトは、最後の直線入り口でも、まだ後方にいました。
以下、赤矢印で示した、黒色の帽子です。

2020オークスの最後の直線

 

前述した通り、スローペースの展開だったので、デアリングタクトの位置から差し切ったのは、本当にすごいと思います。
※結果、2着、3着の馬は前目4番手付近にいた馬でした。

桜花賞の時も思いましたが、やっぱり他の馬とは瞬発力が違いますね。

以下が最後の直線入り口からのレース映像です。

引用元:JRA公式YouTubeチャンネル

道中のポイント

デアリングタクトは、これまでのレースでも見せているのですが、気性が荒い部分があり、テンションが高くなりやすいです。(父エピファネイアの影響でしょうか)

桜花賞でも道中、頭を上げて行きたがる素振りを見せたところを、ジョッキーが必死に抑えて、位置取りを下げていたというのがありました。
ジョッキーが最後の直線での瞬発力、馬の力に自信を持っていて、馬への信頼を表したようなレースでした。

オークスでは、馬場に移動してきた時からテンションが高いところを見せていて、スタート前には発汗が目立っていたので、ちょっと不安な気持ちで見ていました。

スタートはうまく出たものの、第1コーナー、第2コーナーでは、スムーズに運べない場面が見られました。

以下は第1コーナー。
デアリングタクトは赤矢印で示した一番内側の黒色の帽子です。

2020オークスの第1コーナー

少し頭を上げて行きたがる素振りを見せたところに、外側から他の馬に前に入られ、ポジションを下げざるを得ない状況になります。
以下、映像です。

引用元:JRA公式YouTubeチャンネル

続いて、第2コーナー。
赤矢印で示した一番内側がデアリングタクトですが、前や横の馬との距離が近く、非常に馬群が密集しています。
横の馬と少しぶつかったようで、ここでもポジションを下げざるを得ない状況になります。

2020オークスの第2コーナー

結果、向こう正面でも行きたがる素振りは続いていて、ジョッキーもなんとか落ち着かせていますが、位置取りは後ろ目になってしまいます。

2020オークスの向こう正面

スタートが良かったので、もうちょっと前目で中団の位置を取れそうだったけど、無理にポジションを取るよりは少し下げて最後の直線のために力をためた、とジョッキーもコメントしていて、馬の力を信じているからこそ落ち着いてレースを運べたんじゃないかと思います。

最後の直線のポイント

そして、最後の直線ではジョッキーの瞬時の判断能力のすごさに脱帽でした。

まず、直線入り口ではこの位置です。(赤矢印)
2020オークスの最後の直線

デアリングタクトは前が空くのを待っている状態です。
最初は外に出すのを狙っていたようですが、外から赤い帽子の馬が来て塞がれてしまいます。
2020オークスの最後の直線

残り400m地点で、狙っていた赤丸印のところが少し空きます。
ただし、ここに進路を取ろうとしたところ、後ろからピンク色帽子の馬が来ているので、進路が取れません。
2020オークスの最後の直線

すると、今度は変わってデアリングタクトから見て左側のスペース(赤丸印)が空き、即座の判断で内側に進路を切り替えます。
このスペースは内側の後ろから来た別の馬も狙っていたスペースで、あと少し判断が遅れていたら、別の馬に進路を取られていたと思うので、間一髪でした。
2020オークスの最後の直線

残り350mほどで、ようやく進路が取れます。
2020オークスの最後の直線

前が空いてから、デアリングタクトはすごい瞬発力を発揮して、見事に差し切るという展開でした。
こうやって見てみると、馬の力を最大限に引き出すジョッキーの力というのは、改めて一瞬が勝負の世界なので、ジョッキーの大事さがよく分かるレースでもありました。

 

松山弘平ジョッキー

デアリングタクトの鞍上は松山弘平ジョッキーです。

松山弘平ジョッキー
引用元:JRA公式ホームページ

2020年の春G1は、桜花賞に続いての勝利となりました。
松山ジョッキーについては、桜花賞の記事もご覧ください。

オークスの勝利でG1は3勝目となりました。
2020年は5月24日現在で47勝となり、勝利数で4位、重賞も7勝と大活躍です。

松山ジョッキーは、2020年4月26日の騎乗で落馬負傷していました。
当時は翌週の騎乗を見合わせることになり、オークスでもデアリングタクトに乗れないのではないか?と思いましたが、不幸中の幸いで大した怪我ではなく、1週間だけ休んで、すぐ復帰できました。

大した怪我ではなかったのも、こうしてデアリングタクトとの巡り合わせや、運命も味方したのかなと思います。
こうして無事にデアリングタクトで2冠を達成した松山ジョッキー、今後の活躍も楽しみです。

瞬発力の元はサンデーサイレンスのクロス

デアリングタクトの瞬発力の源を考えた時に出てくるのが、サンデーサイレンスという馬です。

ここで、もう一度血統表を紹介します。
デアリングタクトの血統

上記の血統表でも赤字になっていますが、父方の祖母シーザリオの祖父がサンデーサイレンス(4代前)
母方の祖母デアリングハートの父がサンデーサイレンス(3代前)

と、父方の4代前と母方の3代前に同じ馬がいます。

クロスは別名インブリードとも呼ばれますが、近親交配のことを指します。
クロスは体質が弱くなるというデメリットがありますが、ある馬の血をより濃くすることにより、その馬の遺伝能力を強めて、より強い馬を生産することが目的です。

サンデーサイレンスという馬はスピードと瞬発力に優れた馬でした。

アメリカで生産、活躍した馬ですが、1990年はじめに日本に輸入され、種牡馬生活をスタートするのですが、そこからサンデーサイレンスの勢いはすごいものがありました。

初年度産駒がデビューした翌年の1995年から2007年にかけて、13年連続でリーディングサイアー(産駒の獲得賞金の合計額が一番多い)や、産駒の通算勝利数2749勝、産駒のG1勝利数は71勝など、数々の大記録を打ち立てました。

かの有名はディープインパクトもサンデーサイレンス産駒です。
ディープインパクトに代表されるようにスピードと瞬発力に優れた産駒が多いのが特徴です。

このサンデーサイレンスのクロスというのは、非常に強い武器になっていると思います。

1990年代後半から2000年代後半はサンデーサイレンスの産駒が日本の競馬を席巻しましたが、これからの日本の競馬はサンデーサイレンスのクロスが席巻しそうなので、楽しみです。

秋は牝馬3冠を目指して秋華賞へ

牝馬2冠を制して、残すは秋の秋華賞となりました。
3歳牝馬三冠の3レース目は、2020年10月18日に京都競馬場で「秋華賞」が行われます。

秋に向けて放牧に出されるようで、秋華賞が待ち遠しいです。
デアリングタクトのこれまでレースを見ていると、ちょっと他の馬とは力が抜けているなと思うので、秋華賞も勝てそうな気がしています。

競馬というのは将来を想像するのが楽しいスポーツで、デアリングタクトが3冠を達成したのちに、ヴィクトリアマイルを制してG1 8勝目にリーチを掛けたアーモンドアイと対決になったり、など、こういうレースが見たい、この馬との対決が見たいなど、期待が膨らむものです。

秋の秋華賞も今から楽しみです。

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